木洩れ日の家で

ポーランド、ワルシャワ郊外。戦前からの由緒ある家で愛犬フィラデルフィアと一人静かに暮すアニェラ。隣家の様子を双眼鏡で観察したり、庭の木に吊るしたブランコに無断で乗りにくるワルガキとのやり取りなど、日常の日々を淡々と追っていきます。写真のポスターはカラーですが映像は白黒で、91歳と年老いても凛とした美しさとその生き方をより鮮明に描きだします。

美しく若きアニェラが踊る回想シーン…。今は近くに住む一人息子さえまともに取り合ってはくれません。孫の女の子もアニェラの薬指の指輪にしか興味が無い始末。指輪をねだる孫に”死んだらね”と。じらされた孫はクソババア!と言い放ちます。

 

年をとると世間から置き去られ、忘れられてしまうのは宿命ですね。年寄りの目が常に潤んだように見えるのはきっと自分の過去を見ているんだと思います。